◆設定◆
・齋藤学
職業:金型工場の営業マン(勤続22 年)
会社:株式会社ストレートライン
年齢:45 歳(バツイチ)
趣味:読書/ 映画鑑賞
楽しみ:神崎さんとのひと時
・神崎おとは
職業:アダルトグッズメーカー勤務(勤続5 年)
会社:Oto Inc.
年齢:27 歳(独身)
趣味:アダルトグッズオナニー
・博多かおる
職業:金型工場の営業主任(勤続27年)
会社:株式会社ストレートライン
年齢:50歳(既婚)
趣味:息子の野球観戦
楽しみ:AV 鑑賞
・田畑なお
職業:アダルトグッズメーカー経理課勤務(勤続3 年)
会社:Oto Inc.
年齢:25歳(独身)
趣味:読書とスマホゲーム
楽しみ:ネットフリックス
◆ストーリー◆
私は直属の上司の博多から合コンのセッティングを頼まれた。というのも営業主任である博多は、最近奥さんとのセックスレスが続いているらしい。
いやらしさ満点のにやけ顔で、周囲にそう吹聴して回っていた博多だったが、私が最近Oto Inc.の女性社員と懇意にしているという噂を聞きつけたらしく、白羽の矢が立ったようだ。
博多は新人の時から世話になり続けていた相手でもあり、彼の頼みをそう無下にはできない。私の方から神崎に頼み込み、どうにか金曜日の夜に合コンへと漕ぎつけたのであった。
場所は、日本酒が美味しいと評判の五反田の個室居酒屋。掘りごたつタイプの和室に私と博多、そして神崎と初対面の大人しそうな女性、4人で向かい合うこととなった。
「博多さん、斎藤さん。いつもお世話になっております。ふふ。改めてこんな風にご挨拶するとちょっと緊張しちゃいますね。今日、もう一名同席させていただくのは、弊社の経理課に勤めている、こちらの田畑です。」
神崎の紹介に小さくペコリと頭を下げた田畑は、ストレートの黒髪に眼鏡という外見で、一見とても地味な女性に見えた。しかし、よく見ると顔立ちは整っているし、清楚な中にもそこはかとなく漂う色気のようなものも感じられる。神崎がいなければ、私ももっと浮足立っていたかもしれない。
「いつもお世話になっております。田畑と申します。普段は会社にこもっているので、取引先の方と外でお食事できるなんて、とても嬉しいです。」
礼儀も正しく、愛想も悪くない。私は横に並ぶ博多の口元が嬉しそうに緩んでいることに気づき、面目躍如はできたなとホッとした。
「こちらこそ、突然のお誘いにもかからず有難うございます。私は営業の齋藤です。そしてこちらは、私の新人の時からお世話になっている上司の博多です。」
「博多です。今日は宜しくお願い致します。」
にっこりと爽やかな笑顔を浮かべて、「お二人にお会いできるの楽しみにしておりました。」なんて挟み込んでくるあたり、田畑さんもなかなか侮れない女性のようだ。
私は場を盛り上げるためにも、積極的にオーダーをしたり、乾杯の音頭を取ったりして、幹事としてしっかりとした働きを心がけた。その甲斐あってか、会話は序盤からなかなかの盛り上がりを見せていた。
けれど、今日の合コンの最終ゴール地点は「楽しい飲み会」で終わることではない。全員にアルコールが回りだしたところで、私はついにキラーパスを仕掛けることにした。
「そうそう。博多さん最近奥さんとセックスレスなんですよね?」
突然の性生活トーク。引かれてしまわないか少し心配だったが、酒の効力もあるのか神崎も田畑も特に嫌そうな顔はしていない。それを確認して目配せをすれば、博多は意気揚々とその話に乗っかってきた。
「そうなんだよ!私の方は元気なんだけど、奥さんの方がね・・・。やっぱり夫婦生活も長くなってしまうと、どうしてもそういうモードになりづらくなるみたいで」
「ええっ、そうなんですか?まだまだ現役なのにもったいないですね~。そんな時はうちの新作の商品がお勧めですよ!」
酔っ払っても商談チャンスとあれば食いついてくる、神崎の仕事熱心さは嫌いではない。でも、いかんせん今日の目的はそういうコトではないのだ。さすがの私も、冗談めかしつつ、セールストークを諫めに入る。
「神崎さん、こんなときにも営業ですか 。もう就業時間外なので勘弁してくださいよ~」
「すいません、ついつい。あ、でも。そういえば、田畑さんも彼氏が一年以上いなくて、最近ご無沙汰なんですよねっ?」
ぶはっ、思わず飲み途中の梅酒を吹き出してしまった。田畑さんは案の定、顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。
「神崎さん、なんてこと言うんですか。やめてくださいよ、初対面の人の前で・・・」
いかにも清純っぽい田畑さんのリアクションに、博多は嬉しそうにニヤついている。結果的に神崎はナイスパスをくれた。ここは私が繋いでいかねば・・・。
「そうだよね。神崎さん、さすがにそんな話は田端さんに失礼だよ。・・・で、実際のところ、どうなの田畑さん?」
「続けるんですか。もぉ~、こんな話、言えませんよ。」
手足をじたばたさせて抗議する田畑さん。まるで乙女のようでとても愛らしい。私は博多の興味をさらに惹く目的で、まだまだ食い下がる。
「お酒も入っていることですし、ここまできたら聞かずには帰れないですよ。今日このまま帰ったら、後悔と妄想で眠れないかもしれません。ぜひ、我々の健康の為にも教えてください」
「健康って・・・。健康管理くらいは、自分でしてください。それに、この言わない方がいけないという空気はずるいですよ~」
田畑さんは、頬を膨らませて、ぷいと横を向いてしまった。一瞬、会話が止まり個室内がシンと静まり返る。まずい。気まずい空気になってしまった。
だが、その沈黙を破ったのは意外にも田畑さん本人だった。
「ここ最近、いや、だいぶ半年ほど・・・ご無沙汰です」
頬を赤く染めて言いづらそうに、それでも声を振り絞って告白した田畑さんに、思わず私と博多で拍手喝采を送ってしまう。その尻馬に乗って、神崎が実に楽しそうに、手でマイクをつくって芸能記者さながらの追求を試みる。
「おやおや?彼氏いない歴一年だというのに、レス歴が半年というのは、どうも計算が合わない気がするのですが、お相手はどなたなんですか~?」
「もしもし、神崎さん。酔っ払いすぎですよ。」
「いやいや、そこのところを詳しく!」
「教えてくださいよ、田畑さん!」
口を閉ざそうとする田畑さんに、私と博多もインタビュアーに扮して彼女を追い詰めていく。観念した田畑さんは、やけくそとも言える大声で自らの秘密を告白した。
「もう、絶対に秘密ですよっ!バーで知り合った人と、ワンナイト的なアレですっ!」
「言ったぁ~。もう、隅に置けないんだから、田畑さん。経理課、眼鏡女子、清楚を絵にかいたような見た目のくせに、ワンナイトラブOKだなんて、凄まじいギャップですよね。こんな女の子、どう思います?博多さん」
ここでシュートを決めにかかる神崎。私はその鮮やかな手腕に感動すら覚えた。さすが、仕事のできる女は違う。私を夢中にさせているだけある、なんつって。
話を振られた博多は、意気揚々と田畑を褒め称える。第一印象から好感触だったのだから、こんな暴露話までされたら、食いつかないわけにはいかない。
「このハイレベルなルックスに、奔放な一面まであるなんて、まさにアンビリバボー!」
微妙に似ていないビートたけしの物まねは、滑るかと思いきや意外にも田畑さんのツボにハマったらしい。田畑はコロコロと笑いながら、自ら博多への質問を投げかけてきた。
「博多さんって、面白い方なんですね。博多さんは、どんな女性がタイプなんですか?」
「あんまりタイプって考えたことないのですが、博多さんのギャップに、今とても惹かれています。」
間髪入れずに返された答えに、田畑さんはどきまぎしているが、その口元はどことなく嬉しそうだ。
このタイミングを逃すまいと私が「ヒューヒュー!」と囃し立てると、博多も田畑もまんざらでもなさそうに目を合わせて照れ臭そうに笑っていた。私はさらにここで最後の後押しをする。
「博多さんの事は昔から知ってますが、夜の方もとても優しいジェントルマンだと聞いていますよ。」
「な、何をいっているんだ。そんな過大評価はしないでくれ。俺なんてただのおじさんだよ!」
「おじさんなんかじゃないですよ!ダンディーでカッコイイです。たぶん、博多さんは田畑のタイプに当てはまっていると思います。」
ここでも神崎がナイスアシストをして、博多をさらに喜ばせる。
田畑さんは「もう!」と唇を尖らせてはいるが、当たらずとも遠からずといったところなのだろう。「どうなの?どうなの?」と神崎がしつこく聞けば、ようやく観念したように口を開いた。
「そうですね。とても素敵だと思います。」
「えっほんとに?じゃあ相思相愛ということで良いのかな。今夜は優しくするよ♪」
「博多さんまでふざけないでください!もう~さっきからみんなで寄ってたかって・・・」
田畑さんの嘆きに、部屋の中が一気に笑いに包まれた。どうやら、この合コンは大成功に終わりそうだ。今夜はこれから、それぞれのペアで最高の夜を過ごすことができるだろう。
あなたも素敵なお仲間さんと
取引先の美女社員に囲まれて
大人の接待合コンを体験してみませんか?