◆設定◆
・齋藤学
職業:金型工場の営業マン(勤続22 年)
会社:株式会社ストレートライン
年齢:45 歳(バツイチ)
趣味:読書/ 映画鑑賞
楽しみ:神崎さんとのひと時
・神崎おとは
職業:アダルトグッズメーカー勤務(勤続5 年)
会社:Oto Inc.
年齢:27 歳(独身)
趣味:アダルトグッズオナニー
楽しみ:齋藤さんとのひと時
・三ツ島かおりPF
職業:アダルトグッズメーカー勤務(勤続3年)
会社:Oto Inc.
年齢:23 歳(独身)
趣味:ナンパ
楽しみ:複数プレイ
◆ストーリー◆
Oto Inc. に出向いた、とある日にまさかの出来事が起きた。
勤務中はいたって真面目な神崎と、完全な仕事モードで打ち合わせをしているその時だった。
「新商品の製造工程の打ち合わせは、これで終わりですね。引き続き、商品ビジュアルについてもお話させていただければと思います。齋藤さん、この商品のパッケージデザインを担当している弊社の社員を紹介してもよろしいでしょうか?」
断る理由などないので、私は当たり前に許諾した。
「それは、もちろんです。是非よろしくお願いします。」
神崎は一旦部屋を出て行き、数分後に一人の女性社員を連れて戻ってきた。だが、部屋に入ってきたその女性を観た瞬間、私の全身に鳥肌が立った。
「こちら、弊社のパッケージデザインを担当している“三ツ島”です。」
「はじめまして、三ツ島かおりと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
こんな偶然あるのだろうか。見覚えのある、壇〇似の色っぽく若々しい女性。彼女はまさしく、逆ナンパのときの・・・!
動揺を悟られぬように、精一杯平静を装って、私はビジネスライクに張り付いた笑顔を向けて挨拶をした。
「初めまして齋藤学と申します。いつも、大変お世話になっております。こちらこそどうぞよろしくお願いいたします」
彼女の方も顔色ひとつ変えず、にっこりと笑って返答をする。
「神崎から色々とお話はお伺いしておりました。お会いできて光栄です。」
「えぇっ…そ、それはどんな話を…?」
意味深にも聞こえるその言葉に、私は変な声を挙げてしまった。慌てて神崎の方を見遣ると、明らかに怪訝な表情を浮かべていた。
「齋藤さん、急にどうしたんですか? 」
「あっ、いえ。何でもありません。」
「齋藤さんはいつも仕事熱心で気が利く大人の男性だと、神崎から伺っていたんですけど、思っていたよりも可愛らしい方ですね。」
三ツ島は鈴の音のような声で、揶揄するように、そう言って笑った。冷や汗の止まらない私とは対照的に、神崎の方は自分の部下の、失礼ともとれる言動に対して少々お冠の様子だった。
「何をいっているの?あなた、初対面の取引先の方に失礼でしょう。」
「あっ、はい。すいませんでした。」
三ツ島が悪びれもせず、笑顔で頭を下げる。この人絶対に楽しんでいる・・・私はどうにか気持ちを立て直し、大人の余裕をもって応対した。
「いえいえ、神崎さん。構いませんよ。こういうフレンドリーさは若者の特権ですからね。はっはっはっ。」
「教育不足で本当に申し訳ありません。」
「気にしていませんし、僕も神崎さんみたいな綺麗な女性にそんな評価をいただけるほどの男ではありませんから・・・逆にすいません。」
「何をいっているんですか!斎藤さんは、素敵な方です。もっと自信をもってください。」
何だか褒め合う状況になってしまっていることに気づいて、お互いにハッと顔を見合わせて思わず照れてしまった。どう考えても不自然な空気の中、三ツ島さんは意に介さぬ感じで、その中へと食い込んでくる。
「初めましてですが、私もそう思いますよ。斎藤さんは、きっと素敵な男性なんだろうなって。」
「え。あ、ありがとうございます。」
さっきから三ツ島さんの天真爛漫さが、ボディーブローのように効いてくる。三人の間に流れている微妙な空気、もしかして神崎さんに勘づかれてしまうのではないか。わけわかんなくなって、我慢汁まで出てきてしまいそうだ。体の回路が明らかにおかしい・・・
しかしここで、神崎が上司権限を振りかざして、三ツ島を叱咤した。
「三ツ島。いい加減にしなさい。斎藤さんに対して、余りにも馴れ馴れしいわよ。」
「すいません。では、デザインの方向性も決まったことですし、私はそろそろ退散しますね。お二人は、この後もお打ち合わせをごゆっくりなさってください。失礼しました。」
「三ツ島!」
神崎の強い口調に、三ツ島は肩を竦めて去っていく。もちろん、反省の色はあまり見えなかった。
こうして冷や汗をびっしりかきながらのミーティングは終わったが、翌日に神崎からLINEで連絡があった。
「金曜日の夜いつもの場所で会えますか?」
もちろんOKと返信し、20時にいつものバーで落ち合うことになったのだが、ここでも思わぬハプニングが勃発してしまった。
「齋藤さん、先日は大変すいませんでした…」
昨日の三ツ島の態度に、上司として殊勝に謝ってくる神崎。しかし、元を正せば自分に原因があることなので、何も責めることはできない。
「いえいえ、気にしないでください。こちらこそ、不自然だったんではないかと思ってヒヤヒヤしてしまいました。」
「あの子、すごく勘がいいので、私の斎藤さんへの評価から、何か察していたのだと思います。」
「いや。確かに、もの凄く焦ったけど、あんな風に他の女の子にも言ってくれていたのは、正直ちょっと嬉しかったよ。」
偶然とはいえ、三ツ島さんとも関係を持ってしまっている以上、下手なことは絶対に言えない。できれば、彼女についての話題は早々に終わりにしたかったのだが、仕事熱心なで部下想いな一面のある神崎はフォローを続けた。
「三ツ島は、少しお調子ノリなところもあるのですが、普段なら初対面の仕事相手には丁寧な対応する子なんです。なので、あんな風になるなんて、ちょっと私も驚いてしまって・・・」
「そうなんですね。いや、どうしてなんだろうなぁ~」
私はこのままトボけたフリで話を流そうとしたのだが、そうは問屋が卸さない。神崎はふっと真顔になり、少し厳しい口調でこう私に聞いてきた。
「・・・齋藤さん。もしかして、三ツ島とは以前どこからでお会いされていましたか?」
なんという鋭い質問だろう。私はドキドキと早鐘を打つ心臓音が聞こえないよう、わざと声を張り上げて、頬を引き攣らせながら笑った。
「も、も、もちろん初めてだよ。なんでそんなこと聞くのかな?」
「実は・・・・私、聞いちゃったんです。三ツ島が逆ナンパをたまにする子で、以前レンタルDVD 屋で逆ナンパしたときは凄く楽しかったって言っていて・・・。この前の会議の後、その相手が齋藤さんだったって告白されました。」
がっくりと肩が落ち、目の前が真っ暗になった。
バレてしまった。というか、すでにバレていた・・・第二の青春が終わったと、胸の内が絶望に染まっていったが、ここまできたら仕方がない。
私は面を上げて神崎をまっすぐに見つめた。黒目がちの綺麗な彼女の瞳もまた、まっすぐに私を捉えている。私は素直に頭を下げ、誠心誠意の気持ちを持って謝罪をした。
「事実です。つい出来心で・・・。初めての経験で嬉しくなってしまって。本当に申し訳ありません。」
「謝ることはありませんけど・・・本音で言えば、少しショックでした。」
「す、す、すいません!」
神崎は本当にちょっと悲しそうな顔をしていたが、私が必死で謝る様子に、クスリと笑って「怒ってませんよ」と優しい言葉を掛けてくれた。ああ、まるで女神のような女性だと、改めて彼女の魅力を痛感する。しかし、次に神崎の口から吐いたセリフは、これまた想定外のものであった。
「で。三ツ島との相性はいかがでしたか?」
「あ、相性??それって体のってこと?」
「そうですよ。私には聞く権利があると思うんだけどなぁ~」
「え、えー・・・悪くはなかったけど、やっぱり僕には神崎さんが一番だよ!」
胸を張ってそう豪語した、その瞬間。特徴的な笑い声が背中から聞こえてきた。思わず振り向くと、そこにはニヤニヤとした笑みを口元に浮かべた三ツ島が立っていた。
「お邪魔しま~す。齋藤さん、神崎先輩こんばんは!」
とんでもないゲストの登場に、私は驚いて今日一番の大声をあげた。しかし、神崎の方は平然としている。これはいったいどういうことなのだろうか。
「実はあの後、三ツ島と二人で齋藤さんについて話し合ったんです。それで二人の共有財産にしちゃおうって。」
神崎は悪戯っぽい笑みを浮かべて、楽しそうにそう言った。なるほど、もうすでに仕組まれていたというわけだ。女二人に結託されてしまえば、ハッキリ言って男はもうお手上げだ。
「うふふ、せっかくなんで、私もお仲間に入れてくださいね。」
三ツ島も愉快そうに笑い、私の隣の席に座って、するっと腕を絡めてきた。ちょっとだけ、神崎の視線が痛い。
「そんな合意がなされていたんですね。私はもう従わざるえない立場でございますから・・・」
「ございますって。齋藤さんってば、やっぱり可愛い。今回は逆ナンパの時以上にイジメちゃいますよ。」
「もう、その話はしないで。嫉妬しちゃうわ。私も今日はいつも以上にイジメちゃいますからね!」
「宜しくお願いします。」
私が深々と頭を下げると、二人は嬉々として新しい商品のセールストークを始める。
「ご購入頂きたい商品、今日は大量にお持ちいたしました。さっそくホテルでご覧いただきましょうね。」
「私の方では、定期購買のご提案もさせていただこうかと!」
「て、て、て、定期購入?そういうのは、大好きです・・・今すぐにでも、サインさせていただきたいくらいに。」
「焦らなくても、私たちもオモチャも、逃げたりしませんよ。」
美女二人が貴方を奪い合うように
抜群のコンビネーションで
枕営業を仕掛けます。